出版社内容情報
荒木又右衛門の敵討ちを脚本化した『伊賀越道中双六』,逆臣明智光秀の悲劇を描く『絵本太功記』,伊達騒動にかさね説話を合わせた『伊達競阿国戯場』.庶民に人気の実録を題材とした18世紀後半の浄瑠璃傑作集.
感想・レビュー
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迦陵頻之急
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文楽公演に併せ「絵本太閤記」全編を読む。いまだに光秀といえば判で押したように「謀反人、悪人のイメージが強いが…」しかし実は江戸の昔からヒーローの方向で描かれることが少なくなかった。むしろ江戸時代には暴君として評判がよろしくなかった信長。本作は、本筋に関しては時代物浄瑠璃特有のトンデモ設定やら無闇と入り組んだ趣向やらが少なくて、普通に歴史劇として読める。ただし、脇筋の高松城攻めや石山本願寺合戦や天王山争奪戦やらは人形浄瑠璃お馴染みの陳腐なネタ満載。安国寺恵瓊や雑賀孫一や千利休がアレだったりコレだったり…。2024/04/12