出版社内容情報
英国のEU離脱は、統合史上初の分裂に直面する欧州に、世界に、何をもたらすのか。EUの法と政策の第一人者が、離脱交渉の優先順位、金融サービス貿易および北アイルランド国境問題という三つの論点から詳細に解説。
内容説明
Brexit(イギリスのEU離脱)は、統合史上初めて分裂という事態に直面することになる欧州に、そして世界に、何をもたらすのか?「主権回復」を選択したイギリスにより、長年にわたって築かれてきた統合欧州の「主権共有」システムは変容するのか?イギリスとEUの「レッドライン」(譲れない一線)とはそれぞれ何であり、それはいかに変遷してきたか?―EU研究の第一人者が、離脱交渉の優先順位、金融サービス貿易、北アイルランド国境問題という、交渉の帰趨を決めることとなった三つの重要分野に焦点を当て、詳細かつ明快に解説する。
目次
序章 主権共有v.主権回復―EU残留と離脱
第1章 ブレグジット・オプションとレッドライン
第2章 「離脱」をめぐるルールとポリティクス―何をどのように決めるのか?
第3章 金融サービスをめぐるルールと対立―相互承認と同等性
第4章 北アイルランド国境問題をめぐるルールと対立―ハードな国境の回避とトリレンマ
第5章 ブレグジット・パラドクス―英EU交渉の結末
終章 国家主権と欧州統合のゆくえ―主権共有の変容?
著者等紹介
庄司克宏[ショウジカツヒロ]
1957年生。慶應義塾大学大学院法務研究科教授/ジャン・モネEU研究センター所長。日本EU学会元理事長、現理事。2002年、欧州委員会よりジャン・モネ・チェア授与。2009‐10年外務省日EU関係有識者委員会委員。専門は、EUの法と政策、欧州政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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