定本 見田宗介著作集〈4〉近代日本の心情の歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000284844
  • NDC分類 361.08
  • Cコード C0336

出版社内容情報

「流行歌」は時代の心情を映しだす鏡である──明治維新以後,歴史の激動の陰で想いを託され,口ずさまれてきた歌の変転に,近代日本の精神史が浮かび上がる.2010年までの「愛」の歴史を通観する新稿を併録.収録作品:『近代日本の心情の歴史』,「イメージの近代日本史」

目次

怒りの歴史
かなしみの歴史
よろこびの歴史
慕情の歴史
義侠の歴史
未練の歴史
おどけの歴史
孤独の歴史
郷愁とあこがれの歴史
無常感と漂泊感の歴史
補論 近代日本の心情のシンボルの辞典

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shin

5
流行歌、色彩などの〈表現〉に込められた世代と世相のメッセージの集合体に関する論考集。社会学としての切り口の面白さもさることながら、人間の集合体が様々なイメージと想念を、これまた様々なメディアを通じて発露する営みの不思議さに興味をそそられる。おまけのように収録されているが、巻末の「近代日本の愛の歴史」という短い論考にある、昔は〈愛〉という言葉は無かったが深い愛情があり、現代は〈愛〉という言葉の氾濫に隠れて「愛の実質は拡散」しつつあるという指摘は鋭く、前半の流行歌の近代史の短いまとめになっている。2013/01/14

ゆうき

1
明治から昭和までの流行歌の歌詞やメロディを分析し当時の人々の心情になぜ訴えてきたのかを分析した一冊。流行歌でその時代を生きた人々を知ることはその時代を知ることにもなる。2014/12/06

miu_pal

0
1967年。流行歌の歌詞分析による社会心理史の先駆的著作。古典として名の知られた本だが、今読んでも十分に面白い。こうしたことに関心がある読者なら、今でも様々な発見を得ることが出来る本だと思う。もちろん、いくつかの瑕疵、視点の抜け落ちも指摘できる。例えば、この本では、流行歌がいかなるメディアで流通したかということがまったく問われていないのだが、それが歌詞にあらわれるモチーフの量的分析に影響を与えるということはないのか?明治期の壮士演歌は演歌師の大道での歌唱や歌本などで広まった。2019/06/05

いまにえる

0
序盤は日本の歌謡曲の歴史から社会心理を知るという内容。科学的ではないと自分でも言っているが、データに基づく推論ではある。色の持つイメージというものにも興味を持った。『イメージの近代日本史』は1960年代の本であると思われるが、今もう一度研究したら明治や「現在」のカラーは変わっているだろう。「もはや愛ではなくなった愛の情念は、森の不在に向ってそれでも立ち帰る鳥たち」とは愛する対象を失いがち(拡散しがちとも言えるかもしれない)な現代人に刺さるテーマである。2018/03/30

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