内容説明
研究としての読書に追われつつ、趣味や気分転換のための読書で出合ったさまざまな本―。歴史学者として活躍する著者が、これまでの読書体験の過程でわけ入った書物の世界の魅力を語る。イスラーム、中国の歴史書をひもとく効用、政治をめぐる先人たちの滋味あふれる言葉、江戸・幕末・明治のロマンあふれる小説…。古典的著作から現代小説まで、文学と交叉させながら歴史の楽しみを味わえる本を多数紹介する。
目次
序章 歴史の楽しみ―司馬遷からマスペロへ
第1章 江戸のロマン―鬼平と河内山のピカレスク
第2章 政治リアリズム―ローマ・徳川日本・イスラーム
第3章 「歴史とは何か」―イブン・ハルドゥーンと内藤湖南
第4章 幕末騒動始末記―新選組のぐるり
第5章 明治という時代―夏目漱石と乃木将軍
終章 新しい教養へ―江戸情緒と泰西趣味を超えて