岩波セミナーブックス
プルーストの世界を読む

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  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000266123
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

出版社内容情報

『失われた時を求めて』の冒頭部「コンブレー」を取り上げ,プルースト的生成を鮮やかに開示する.登場人物たちの思いがけない造形過程やいくつものテーマ系の細部から壮大な全体へと及んでゆく.プルーストを読む醍醐味を伝える!

内容説明

『失われた時を求めて』の冒頭部「コンブレー」を取り上げ、主人公の不眠の夜と作品内部の時間、登場人物たちの形成に至る思いがけないプロセス、相貌を変えてゆく田舎町イリエ、また名高いサンザシの匂いや色彩などのアスペクト精細に読み解く。細部から壮大な全体へと及んでゆく精妙なプルースト的生成を、近年の研究の蓄積を踏まえて鮮やかに開示する。いまプルーストを読む醍醐味をこの一冊に伝える。

目次

第1章 序曲「不眠の夜」(「不眠の夜」の意味;「不眠の夜」の成立過程)
第2章 「コンブレー」の構成(シンメトリックな構成原理;「悲しい夜」の匂いと音 ほか)
第3章 「スワン家のほう」と「ゲルマントのほう」(ふたつの散歩道;スワンの肖像 ほか)
第4章 芸術への道(芸術家の人と作品―ヴァントゥイユ父娘;文学の受容から創造へ)
第5章 比喩の魔力と根拠―サンザシの描写(祭壇のサンザシ;生け垣のサンザシ)

著者等紹介

吉川一義[ヨシカワカズヨシ]
1948年大阪生まれ。東京大学フランス語フランス文学科卒業。パリ=ソルボンヌ大学第三課程博士。東京都立大学人文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

袖崎いたる

10
よくもまあそこまで読み込みましたね…と途方に暮れてしまうほどに重箱の隅を楊枝でほじくっている印象。印象という言葉から眺めれば、印象の考古学とでもいうべき作業をコツコツやってきた人の「ここが面白いんです!」という確信に満ちたお話。印象批評というものは大抵悪口になる言い方だけど、この人の印象論はふつうの人が印象というところの印象を超えた印象な観を呈していて文学者の職人技を読んだ気分。あるいは博物学と呼んでもいいかもしれない。プルーストの世界の言語的触感を収集し、考察し、読み込んだ比喩イメージの博物館のような。2017/05/08

燃えつきた棒

9
フランスの焼き菓子を紅茶に浸して味わいながら食べるような含蓄の深い読解は、読む者をイリエの散歩道のサンザシの茂みへと誘う。 氏の訳による岩波文庫版の「失われた時を求めて」が読んでみたくなる。 いや、それどころかこの小説だけは、全ての訳者のものを、それぞれ味わってみたい気がする。2013/05/11

泉を乱す

1
△(井上究一郎先生派なので)2017/04/09

黒猫

1
ほとんどがコンブレーについて語られているから、第一編を読んだ(だけ)の僕でも十分この本は面白く、理解して読めました。改めてプルーストの比喩表現の素晴らしさに気付かされました。2013/01/23

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