思考のフロンティア<br> ポストコロニアル

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思考のフロンティア
ポストコロニアル

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  • サイズ B6判/ページ数 143p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000264358
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0310

出版社内容情報

近代日本の植民地的無意識は,いかに形成されたのか.後発近代国家が抱え込まざるをえなかった,欧米列強への過剰な模倣と擬態というその起源に溯り,植民地主義以後の世界を生きる我々が解決すべき課題の所在を明らかにする.

内容説明

1945年の敗戦以降、忘却されていた植民地主義の問題が新たな課題として浮上している。いかにして開国以後の、日本の植民地的無意識と植民地主義的意識は形成されたのか。欧米列強への過剰な模倣と擬態というその起源に遡り、ポストコロニアルな世界を生きる現在時において、我々がむかいあうべき問いの所在を明らかにする。

目次

1 開国前後の植民地的無意識(大陸・半島・列島の地政学;「文明開化」と植民地的無意識 ほか)
2 植民地的無意識への対抗言説(「廻転」と「小廻転」;日露戦争と植民地主義 ほか)
3 敗戦後の植民地的無意識(象徴天皇制と植民地的無意識;戦後における「文明」と「野蛮」 ほか)

著者等紹介

小森陽一[コモリヨウイチ]
1953年生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。専攻は日本近代文学。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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またの名

14
福沢諭吉の論法では、今や西洋の文明国と比べてかつての文明国も半開に過ぎないが蝦夷人に比べれば日本は文明国だという仕方で、半開はつねに自分よりも野蛮な存在を捏造し続けなければ上位を保てない、と分析。たんに植民地を支配しただけでなく、欧米にザ・文明を押しつけられていることを自発的な文明開化と言い換えて無意識に忘却する一方、東アジアへ侵入し帝国としてふるまうときにはやられた植民地化をお隣に節操なくやり返す分裂を日本の植民地化の歴史に見る。漱石の小説や戦後すぐの教科書などをも通じて流れる問題に触れるための入り口。2017/05/09

瀬希瑞 世季子

1
概説書ではなく日本の近代から戦後までの歴史をポストコロニアリズムの視点から読み解くものとなっているが、そのお陰でポストコロニアリズムの問題を自分と身近なものとして考えることができる。夏目漱石の小説をポストコロニアリズムの視点で読み解く章が面白かった。2021/07/13

一分前

1
良心的で優しく見えるおばあちゃんがなぜアジア諸国のことや第二次世界大戦のこととなると強硬な姿勢をつらぬくのか、小さいころからの疑問が書いている記述に符号するようだった。それと、自分が高等教育まででうけてきた歴史観が、日本の植民地主義的観点をすっぽりとぬいたものであったことにも気づいた。2015/10/24

keepfine

1
琉球処分のくだりは必読2014/02/13

КИТАРУ МУРАКАМУ

1
日本の植民地主義から出発するという意味では、アクチュアルなポストコロニアルの入門書。2011/01/06

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