出版社内容情報
出来事-体験を語ることは可能か.もし不可能なら,その者の死とともにその出来事も歴史の闇に葬られてしまう.出来事の記憶が人間の死を越えて生き延びるために,それは語られねばならない.だが誰が,どのように語り得るのか.
内容説明
或る出来事―しかも、暴力的な―体験を物語ることは、果たして可能だろうか。もし不可能なら、その者の死とともに、その出来事は起こらなかったものとして、歴史の闇に葬られてしまうだろう。出来事の記憶が、人間の死を越えて生きのびるために、それは語られねばならない。だが、誰が、どのように語りうるのか。記憶と物語をめぐるポリティクスを、パフォーマティヴに脱構築する果敢な試み。
目次
1 記憶の表象と物語の限界(記憶の主体;出来事の表象;物語の陥穽;記憶のポリティクス)
2 表象の不可能性を超えて(転移する記憶;領有することの不可能性;出来事を生きる)
3 基本文献案内