出版社内容情報
文学の誕生や形成の年表的な通観をきっぱり廃し,一読三嘆,明治文学の魅力を説き明かしたユニークな文学史.近代初期の小説において読者や作家,自然,文体,物語構造などが絡み合い変化してゆく様が自在に解きほぐされてゆく.
内容説明
「誕生」や「形成」の年表的な通観をきっぱり廃して、一読三嘆、近代初期の小説の魅力を説き明かし、読書の喜びに満ちたユニークな文学史。読者や作家、自然、文体、物語構造などがどのように絡み合いながら変化していったか。毒婦阿伝報道の物語化の様態、新聞の文学欄の消長と生産される読者、「都市」から析出される郊外など、多様なテクストの系譜の交差する相を自在に解きほぐす。
目次
1 テクスト・生産システムの文学史
2 メディアと物語
3 読者の生産
4 言文一致の実験
5 地文学の系譜
6 文体と主体
7 物語世界と語り手
8 郊外の物語
9 文学者という自己幻想
10 「物語を書く女」の物語
11 女の語る物語
12 物語のなかの文学史