出版社内容情報
隋・唐と交渉をもち,百済・新羅.高句麗など朝鮮諸国の動乱にも深くかかわるなかで,中国大陸・朝鮮半島からさまざまな技術や文化が移入された六―八世紀.権力が集中し,「京(みやこ)」が建造されるとともに,社会機構や制度がととのえられ,国家的支配をささえる仕組みが形成されていく過程を多角的に論じる.
内容説明
隋・唐、朝鮮諸国から、多くの技術や文化がもたらされた六~八世紀。権力が集中し、国家的支配をささえる仕組みが形成されていく過程を論じる。
目次
大王の朝廷と推古朝
大王とウヂ
国造制と屯倉制
帰化人と古代国家・文化の形成
飛鳥の都と古墳の終末
飛鳥・白鳳文化
六‐八世紀の東アジアと東アジア世界論
大化改新と改革の実像
記紀神話と王権の祭祀
著者等紹介
李成市[リソンシ]
1952年生。早稲田大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takeshi3017
4
岩波書店の歴史本第2巻。古墳時代の終わりから飛鳥文化・白鳳文化など6-8世紀の日本及び東アジア関係が論じられる。特に注目すべきは1.仏教伝来2.都の造営と移転3.大化改新だろう。1については538年説と552年説があるが現代では538年の方が有力らしい。2は飛鳥浄御原宮や飛鳥板蓋宮は有名だが飛鳥岡本宮というのは初めて知った。3の大化改新は戸帳・計帳・班田収授法を初めて作る事が定められている。詳細→ http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou30302.html2021/01/28
bapaksejahtera
2
昔「大化の改新」と習った「乙巳の変」観の現在など諒解した。李成市氏の東アジアの動態説明がわかりやすく貴重である。2019/11/25
さとうしん
1
今巻は継体朝から斉明・天智朝あたりまで。「六-八世紀の東アジアと東アジア世界論」は末尾で当今流行の「東部ユーラシア」に言及しつつも、なお西嶋定生以来の「東アジア世界」の枠組みがなお有効とする。「大王の朝廷と推古朝」で言及される蘇我系・非蘇我系の大王位継承争いについては、蘇我入鹿が非蘇我系とされる田村王子を支援するなどのねじれが見られ、個人的にはそんな枠組みは存在しなかったか、欽明の子世代までしか有効ではなかったのではないかと思う。月報に東野治之「史料と史実-天皇の和風諡号を例に」などがある。2014/06/02