出版社内容情報
夢,幻想,そして神-日常的な認識の枠を超えた不可思議な存在を描き出すことは,古来変わらず文学の重要なテーマである.人が経験する,論理を超えた世界を,文学はどのような戦略を用いて表現してきたか?
内容説明
幻想文学と宗教文学をあわせて論じるところから、みえてくるものは何か。夢や幻想、超常現象といった装置を手がかりに、「いまここにはない世界」を出現させようと試みるテクストには、「超越性」に迫ろうとする精神の軌跡が息づいている。
目次
夢(エクスタシー体験と宗教文学;「心」の光学―ホフマンの「魔法の眼」について;夢と狂気―ネルヴァルからシュルレアリスムまで ほか)
幻想の文学(江戸小説のシンクレティズム―典拠の秘匿と『八犬伝』;ロシア・ユートピアニズムの詩学)
伝統宗教と文学(文学的想像力論;ドストエフスキーのキリスト教―『カラマーゾフの兄弟』を中心に;二つの預言者讚歌―改宗譚・奇蹟譚とイスラム詩の伝統 ほか)
著者等紹介
沼野充義[ヌマノミツヨシ]
1954年生まれ。専攻、ロシア・東欧文学。所属、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部
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