岩波講座 物理の世界 物理と情報〈3〉ベイズ統計と統計物理

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  • サイズ B6判/ページ数 100p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000111584
  • NDC分類 420.8
  • Cコード C3342

出版社内容情報

原子・分子の多体系と「推論」とがいったいどのように結びつくのだろうか.遺伝情報の解析を例に物理学のイメージと技法が統計的推論に役立つさまを具体的に紹介.最小限の数式で統計物理とベイズ統計のこころを伝える.

内容説明

確率的な推論とは何か。なぜ、そこで統計物理の手法が役立つのか。本書は遺伝子伝播の推論を例としてこれらをやさしく説明することからはじまる。統計的推論や統計物理そのものの楽しさを語りつつ、最新の計算技術の本質や統計学の意外な面におよぶ異色の入門書。

目次

1 条件つき確率による推論―遺伝子の伝播を推理する(メンデルの法則;逆向きに考える ほか)
2 統計物理アナロジー(形式的な対応;協力現象の例―氷 ほか)
3 モンテカルロでなんでも解こう(妖精さんにおまかせ―ギブス・サンプラー;ギブス・サンプラーの使い方 ほか)
4 ベイズ統計とベイズでない統計(統計学再訪;直線のあてはめ ほか)
5 やわらかな制約による知識の表現(「滑らかな曲線」をあてはめる;ベイズの枠組によるマクロなパラメータの推定 ほか)

著者等紹介

伊庭幸人[イバユキト]
1959年東京に生まれる。1988年東京大学理学系研究科(駒場)博士課程満期退学。2000年理学博士(物理学),大阪大学。統計数理研究所統計データ解析センター助手、予測制御研究系助手、同助教授として現在に至る。専門は、統計物理学、統計学、モンテカルロアルゴリズム
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

28
統計と物理の関係勉強に岩波講座物理の世界 #短歌 https://qiita.com/kaizen_nagoya/items/5820558168dea8e848a42021/10/03

Takashi Kai

4
みんなだいすきベイズのアナロジー的解説。生物よりなので、遺伝の事例はわかりやすかったし、それを乱数でやってやろうというのも(高校のテストを思い出したが)わかりやすい。物理よりのところは、正直、あまりとくいではないのでするっとは読めなかったが、頑張ると、概念くらいはわかった気がする(気がするだけかもしれないが)。だけど、でも、なんか僕の根本的な問題として、条件付き確率がいまいち理解できない。いや、実感としてはわかるんだけど、神様がふったサイコロがコントロールされてるイメージでいまいちわからん。勉強が必要。2015/04/19

やす

4
ベイズ統計というものが検索エンジンでも使われているというので読んでみた。ベイズの公式というものがあって、それは単なる条件付き確率の式。他の本ではベイズは亜流の統計学であったが、現在は注目赤丸上昇中の学問であるなどと言われていた。本書ではそんなことはなく、ただ、統計を情報処理の学問としてとらえなおす機運にあり、また、統計の推定するところを是とするか非とするかは主体的に決めるべきであるという、なんだか、トンデモちっくなことが書かれていた。さもありなんという感じ。一般人としては接近する必要なしと思った。2012/03/18

T2C_

3
語り口は平素なのに、内容は(自分のレベルからすると)かなり厳しい。安直にベイズに頼るな、事前分布の決め方には注意せよ、など断片的なメッセージしか汲み取れなかった。2016/11/11

quolc

2
ベイズ統計の話と物理の話が交互に展開され、タイトルから期待するほどには両者の密接な理論的関係に納得という感じではない。例えばMCMCはイジング模型など物理系のサンプリングの文脈で紹介されるが、久保本等に詳しいベイズモデリングでの活用には触れられず、ベイズについてはほぼMAP推定の話となっている。個人的には、統計の世界では曖昧性が解消できない事前分布の扱いについて、似た形式を持つ統計物理ではプランクの量子化や同種粒子系とギブスパラドックスの話のように、実験的に扱いを決定できる場合があるという話題が面白かった2022/11/27

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