出版社内容情報
近代とは何か-この古くて新しい問いが,いま再び問われている.グローバリゼーションの奔流は国境を超え,近代に形成された諸価値やアイデンティティをも揺るがし始めている.人文社会諸学の研究者の協力を得てなった本講座は,日本近代史の再検討を通して近代の可能性と限界を探る,初の領域横断的な試みである.
感想・レビュー
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7
2002年刊。1920―30年代、モダニズムの潮流にある日本の文化層を分析した論集。総説を含め7つの論考を収めている。中では、吉見俊哉氏の総説「帝都東京とモダニティの文化政治」、その他、樺太・豊原を論じた「植民地思想と移民―豊原の眺望から」、満州の主要都市内を走った周遊観光バスを論じた「『楽土』を走る観光バス―一九三〇年代の『満州』都市と帝国のドラマトゥルギー」、当時の日本国内と朝鮮の美術絵画、商業美術に描かれた女性表象を論じた「植民地『朝鮮』と帝国『日本』の女性表象」を特に興味深く読んだ。2018/11/30