出版社内容情報
物理学の素晴しさを伝えることを目的になされたカリフォルニア工科大学1,2年生向けの物理学入門講義.読者に対する話しかけがあり,リズムと流れがある大変個性的な教科書である.物理学徒必読の名著.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
量子力学史概観から始まるのではなく、光量子を考案したアインシュタインの思考実験から始まり、様々な実験例でボトムアップから組み立てる本書の特徴は、シュレーディンガー方程式に至るまで15章を費やす破格の構成である(全21章)。ブラケット記号の導入を具体的ケースから始め、スビンと確率振幅、歳差運動、光の放出に多くのページを割いて、量子の振る舞いをイメージさせながら現実とは異なるこの世界の直感的理解を促す。読書中、コンピュータが原子レベルになるという仮定から量子コンピュータを考案した著者の思考実験を思い起こした。2018/11/15
algae
2
やっと全巻終わったー!いったい何百時間費やしたことやら...。各巻の評価はこんな感じ。1巻○,2巻◎,3巻△,4巻△,5巻○。読む人の専門、興味分野によってかなり評価が変わってくるはず。それと3~5巻は他の本で予習必須。ファインマン物理学だけで理解しようとするとかなりきつい。もし、量子力学目当てでファインマン物理学を読もうとするならば、1巻から順番に読んでいくのはおすすめしない。5巻にたどり着くまでにとてつもなく時間がかかるので挫折すると思う。むしろ、いきなり5巻を読んだほうがいいんじゃないだろうか。2017/06/11
みかん
1
凄くわかりやすくて好き。これを教科書とか量子力学の1冊目にしてみるのは個人的には違うとおもうけど。 今まで読んだいくつかの量子力学の教科書より、筆者曰く宙に浮く可能性があるという一般論から演繹するのではなく、現象を実際計算するところから帰納するスタイルはとっつきやすい。 物理を理解して欲しいって願いを基にした量子力学の最高の講義録でした。2018/04/03
tanipo
0
1979年初版。数式はほとんどない。p.74のシュテルン・ゲルラッハのフィルターからブラ・ケットへが面白い。 難易度(1-5):☆☆2020/09/02