出版社内容情報
詩人や作家,歌人,俳人,ヒットソングの作詞家たちが,研ぎ澄まされた言語感覚のすべてを傾けて生み出す表現を,パズルのように解いてみる.言葉そのものがもつ奥行きを何重にも味わう,このおもしろさは新体験.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
棕櫚木庵
26
表題に惹かれ,さらに,竹内まりあ「駅」の中の「わたしだけ愛していた」の「愛していた」のは誰か.それに関する文法的な話があると聞いて借りてみた.日本語文法について基本的なことを知りたいと常々思っていたし・・・.さまざまな個別的事例について多くのことを教えられた.例えば,「~へ散る」と「~に散る」の違い,日本語についても「自動詞/他動詞」,「補語/目的語」などと言っても良い,「は」と「が」は,後に切れ目があるかどうかで違う,日本語では話し手がどう関わるかによる使い分けが厳しい,などなど.→2021/04/07
原雄一郎
5
この本を読んで、あまり発見はなかった。でもまたいつか、同じ本を読むような気がする。その理由として推測できるのは、僕の詩文の読み方が著者に近かったということと、でもそれを自分が良しとしていないこと。 詩文を読むにあたって必要なものは、文法的知識、経験、霊感(みえないものを察する感性)だと思っているが、僕はその霊感にとても憧れている。吉本隆明の、現代詩の解説文に、読者の持ちうるそれの最大化された一つの形を見た。読む前に予測した成果物と違うアウトプットを得ることもまた、読書の一つの大きな楽しみ。2017/01/21
ととろ
1
宮澤賢治から竹内まりやまで、いろいろな有名人の文章を取り上げながら「は」と「が」の違い、「た」と「る」の違いなど、分かりやすく解説している。私も、文章を書いていると、どちらを使うべきか、決まりはあるのか気になってくる。だけど結局日本人は、その文章に応じて、これは「状態」これは「動き」などと難しく考えなくても、そう読むべきだし、使うべきだと感覚的に分かっているのではないだろうか。2018/07/20
atsushi
0
詩の味わい方に新しい観点が得られた気がする。2009/12/07