内容説明
われわれの決定論的物理世界と、不確定性が支配する量子の世界との接点をどこに求めたらよいのか。このいわゆる観測問題をめぐっては、アインシュタインとボーアの論争以来の長い歴史があり、いまだに決着がついていない。その根底には物理学者たちの世界観をめぐる対立がある。光のふるまいに見られる量子の謎を追いながら、アインシュタインの考えからプリゴジンの革新的主張に至るまで、さまざまな解釈に数式ぬきで検討を加えた好読み物。
目次
1 量子のなぞ
2 光子はどこを向くか
3 光子対に何か隠れているか
4 ワンダフル・コペンハーゲン?
5 すべては心の中にあるのか
6 多世界からなる世界
7 大きさの問題か
8 前向きと後向き
9 前向きだけなのか
10 幻想か、それとも実在か