出版社内容情報
アジアにおける数少ない王制の国,そしてクーデターのくり返される国タイにおいて「民主主義」とは何か.1932年の無血革命に光をあて,のち長く首相を務めたピブーンと人民党の役割,日本とのかかわりを考察.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
22
#感想歌 戦犯法事後立法で違憲だと判断妥当日本はどうよ2017/08/02
ろーじゃ
4
実はこの本、あまりピブーンは出てきません。最初の方に政治活動を行うまでのピブーンの経歴の説明がなされたら、後はタイ立憲革命付近のタイ史の説明が大半。後半でもピブーンは本の主役という程の出番は見込めず、プリーディーやラーマ6・7世の方が活躍していたかも…。 ただタイ立憲革命や人民党の説明は詳しいのでその辺りを学びたい方は一読を。2015/01/20
印度 洋一郎
3
ピブーンを中心にした、19世紀後半から20世紀半ば頃までの近代タイ政治史。周辺が英仏の植民地となっていく中、独立を維持するために前近代的な絶対王政から、富国強兵を目指した立憲主義革命を推進したのは、当時のタイで最も近代文明を受容した軍だった。この辺は現在の途上国にも見られる、「近代的組織は軍隊だけ」という構造にも繋がる。「民主化してタイを強国にする」ため、クーデターや軍事政権といった非民主的手段を使わなければならないジレンマも又、多くの途上国が歩む道だった。そして、日本とタイの関係も興味深い話が多かった。2017/01/11