現代アジアの肖像<br> 孫文と袁世凱 - 中華統合の夢

現代アジアの肖像
孫文と袁世凱 - 中華統合の夢

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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 1X1cm
  • 商品コード 9784000043960
  • NDC分類 222.07
  • Cコード C0322

出版社内容情報

武力革命によって3000年の王朝支配に終止符を打った孫文(1866-1925)は,中華民国を樹立.やがて政権は,最強兵力を擁する袁世凱(1859-1916)の手中へ.中国の統一と「中華民族」の創出を描く.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

印度 洋一郎

6
「革命の英雄・孫文VS強欲な軍閥・袁世凱」、こんな従来の辛亥革命のイメージを叩き壊す一冊。頭でっかちで実行力の無い孫文と、目的のためには手段を選ばないリアリストの袁世凱という二人の指導者のビジョンは、実は似たようなものだった。それは中国の統一と富国強兵の推進。そのために、強力なリーダーによる、上からの革命、開発独裁を指向する。だが、流石に難治の国中国の統治は一筋縄ではいかなかった。一番の理由は、革命のビジョンを実現する民度(語弊があるかもしれないが)に当時の中国人が達していなかったこと、なのかもしれない。2012/01/01

4
王朝支配に終止符を打ち近代共和国家中華民国を樹立した孫文と、軍事面での強化を図った袁世凱を、前後の世界状況と共に読み解いた本。アヘン戦争・日清戦争に敗れ、列強帝国主義の植民地に取り込まれていく中で、列強を凌駕する中華社会の復活が知識人の中で模索されるようになる。そうした革命の始まりの中で海外留学生が力になったのは言うまでも無いが、それ以上に軍人の力が大きく、故に国民党と共産党が会議ではなく軍事力でしか己の正しさを証明できない、中華の伝統とも言うべき内戦が勃発したのではないか。2011/07/18

ダージリン

2
こないだ南京に行き、孫文が祀られている中山陵を訪れたこともあり、孫文に興味を持った。三民主義を掲げた理想高き革命家というイメージがあったのだが、何だかイメージを壊された。ここで書かれた孫文像も真実の一面を捉えているのだろうが、あまりに矮小化している気がする。2010/12/05

清 義明

1
北一輝が「暗殺された宋教仁がいれば・・・」と、その暗殺は孫文の差し金とまで言い切っていた理由が長らく今一つピンと来ていなかったのだが、本書でやっと理解。 孫文自体に辛亥革命以後の混乱の理由すら見出されていて、その三民主義はけっこう眉唾の由。 あの情勢の中では何が正解だったかはもちろん白黒つけられるものではなかったわけだが、パワーポリティクスに急ぎすぎ、その背景には彼自身の民衆観や、彼独自の結社主義やら独裁論があった、と。もちろん「宋教仁が生きていれば・・・」とかそういう単純な問題じゃない。2018/10/26

z1000r

0
辛亥革命は帝政から共和制に移行なので、民主的になるのであろうというイメージをもっていたが、その実、未熟な状態の民主制は中国では根付かず、国民にも浸透せず、宋教仁も袁世凱に殺され、数日ではあるか袁世凱が皇帝の座につくというのは驚きだった。また孫文もイメージした人物とは異なり、民主主義、共和主義というより全体主義的考えの持ち主だったとは意外だった。2017/10/21

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