出版社内容情報
生態系破壊や,国家的統合と民族的運動の衝突などの深刻な状況に直面している世界史の「現在」は,人間存在の在り方とその意味を激変させ,認識の組み替えを迫っている.109のテーマを選んで歴史的に考察する.
内容説明
民衆文化とは何か。自律的な民衆の世界に、エリート文化と対置する観点からではなく、相互浸透をともなう両者の歴史的なせめぎ合いを読み解く方法からアプローチする。
目次
1 民衆の権力観(モラル・エコノミーとシャリヴァリ;義和団民衆の権力観;エジプト農民の権力観)
2 民衆運動(サン=キュロット;社会主義運動と労働者文化―20世紀初頭ブレーメンの場合)
3 民衆宗教(ジャワの正義王思想;ロシア民衆の宗教意識;メキシコの民衆宗教)
4 民衆文化の変質(労働大衆と消費文化―世紀末からベル・エポックのフランス社会;ベンガルの民衆文化;アメリカの大衆文化)