出版社内容情報
シンガポールに,33歳のポップシンガーが誕生した.インド・中国などのメロディーを欧米のサウンドと融合させ,今,新世紀のアジアポップスが世界を駆ける.リーの生き方と作品を通し,多民族国家の国民統合への道をさぐる.
内容説明
人口250万、建国25年のシンガポールに、33歳のポップシンガーが誕生した。「見た目は黄色いが中味は白い」、そんな自分の仮面をはぎ、インドネシア・インド、中国などの懐かしいメロディーを欧米のサウンドと融合させ、今、新世紀のアジアポップスが世界を駆ける。ディック・リーの生き方と作品を通し、多民族国家の国民統合への道をさぐる。
目次
シンガポールを歩いてみれば
シンガポーリアン・ポップス誕生
アジアのまん中、シンガポール
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
65
2016年939冊め。1990年初頭、日本の音楽シーンを熱狂させたシンガポールのミュージシャン、ディック・リーの話。それまで日本で人気が出たアジア系歌手といえば、演歌のうまい外国人歌手の扱いだったが、彼の場合はロックやポップスの分野で、英語や中国語、マレー語、タミール語等多言語を織り込んだところで、他から際立った存在となった。独立以来過剰とも思える管理体制下で発展してきたシンガポールの、マレーシアやインドネシアというイスラムの国に囲まれ、共産主義大国の中国を祖国に持つ国民が多い背景等、興味深い。2016/10/31
hiratax
1
90年代初頭にワールドミュージックの分野で注目されたシンガポールのミュージシャン、ディック・リーのブックレット。短いが、中国系ながら漢字の読み書きができないといった本人の来歴から、シンガポールの教育政策を知れる。本当は日本人がやるべきだが、やれなかった音楽なる著者の指摘は確かだろう。2017/08/25