出版社内容情報
中世南仏に生まれた熱烈な献身の新しいアムール(愛)の物語のさまざまな形象,対称的な粗野で生々しく甘美でもあるトリスタンとイズーの性愛の物語の考察.文学と歴史とが溶け合い,中世的世界が息づく.
内容説明
中世南フランスに生まれた熱烈で忠実な献身の新しいアムール(愛)。この愛に関わる物語のさまざまな形象。これと対称的な粗野で生々しく甘美でもあるトリスタンとイズーの性愛の物語の元型をめぐる論考。文学と歴史とが溶け合い、ここに中世的世界が息づく。西欧の近代文学の原点をなす愛の世界を、著者ならではの流麗な筆で描く。
目次
「沈める都」伝説考
狼の話
樽の話
「青ひげ」の素顔
剣―伴侶そして分かつもの
ベディエ『トリスタン・イズー物語』をめぐって
トリスタン幻想
王様の耳は馬の耳
中世「町人文学」の成立―フランスの場合