• ポイントキャンペーン

歴史のための弁明―歴史家の仕事 (新版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 216p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000025300
  • NDC分類 201
  • Cコード C0020

出版社内容情報

歴史家は何を目指し,どのような精神によってこれを達成してゆくのか.このレジスタンスに倒れた歴史家の深く透徹した省察を,親密な語り口で伝えたあまりにも有名な著作.厳密な校訂による原著新版に練達の新訳!

内容説明

本書は、第二次世界大戦にレジスタンスに斃れたマルク・ブロックのあまりにも有名な遺著。「パパ、だから歴史が何の役に立つのか説明してよ」とのわが子の問いに応えてブロックは、歴史学への論難をもっとも高い鞍部で受け止め、歴史家が何を目指し、どのような精神でこれを遂行するかを、あたかも練達の職人の親方がその手の内を明かすように諄々と説いてゆく。この名著はまるで昨日書かれたかのごとくに清新で、深く透徹した省察によって人文諸科学のすべての学徒に開かれたものとなっている。今回、ブロックの長男が遺稿に立ち戻り厳密な校訂を施し、面目を一新した本文により新訳、新版とした。

目次

第1章 歴史、人間、時間
第2章 歴史的観察
第3章 批判
第4章 歴史的分析
第5章 (無題)

著者等紹介

ブロック,マルク[ブロック,マルク][Bloch,Marc]
1886‐1944。20世紀のフランス歴史学を代表する歴史家。現代歴史学の誕生に大きく貢献し、その影響はあまねく世界に及んだ。時代と正面から向きあい真摯に生きた一人の知識人であり続け、第二次世界大戦中にレジスタンスに斃れた。リュシアン・フェーヴルと「アナール」誌を創刊、主著に『フランス農村史の基本性格』『封建社会』『王の奇跡』などがある

松村剛[マツムラタケシ]
1960年生まれ。東京大学大学院博士課程中退、パリ第四大学文学博士。中世フランス文献学を専攻。東京大学大学院助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Francis

8
「封建時代」などの著作で知られるフランスの中世史家マルク・ブロックが歴史を書くとはどのようなことか、を考察したもの。それほど難しくなく、面白く読めた。ただ以前の版はリュシアン・フェーヴルによって改変が加えられていたことは複雑な気分になる。2018/12/10

ロラン

8
レジスタンスに身を投じたブロックの遺著であり、著者に対する敬意は払わねばなるまいが、私自身はあまり好んで読まない類の本だというのが率直な感想だ。フランス人らしい言い回しのくどさに加え、自然科学や数学との類比についても首を傾げたくなる記述が多かったのが気になった(2人の人物が偶然同月同日に死ぬ確率を365の2乗分の1とするという基本的なミスもあった)。とはいえ、読者を飽きさせないような挿話も豊富であり、未完に終わってしまった200ページ足らずの著作でもあるため、読み通すことについては特に苦労を要しなかった。2017/05/30

もりの

6
古代から歴史を知りたくなった。2018/08/09

湯豆腐

4
フェーヴルの『闘い』は歴史を総体で捉え現在から解釈せよというスタンスを強調する。ブロックは、一度解体して分析した上で、はじめて総体としての解釈が可能になるという、一歩具体的に踏み込んだ方法論を提示してみせる。巻末の構想を見ていると、未完に終わらなければ「パパ、だから歴史が何の役に立つのか説明してよ」という冒頭の質問に対する真の答えが示されたはずだったことがわかって惜しい。訳は句読点の位置まで忠実に再現してくれているのだが、逆にそれによってフランス語がいかにややこしい言い回しを好む言葉か実感できる。2016/03/13

電羊齋

3
問題意識と主体性の重要さ、時間への意識、史料批判など、歴史を研究する上での心構えと技術について語る。たとえ話と挿話を多く引用しており、面白く読めた。 不幸なことに、著者の死により本書は未完に終わり、冒頭にある「パパ、だから歴史がなんの役に立つのか説明してよ」という問いの答えははっきりと示されないままに終わった。それは本書を読んだ我々が答えを出すべきなのだろう。2018/01/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/87634
  • ご注意事項