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明治の精神異説―神経病・神経衰弱・神がかり

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  • サイズ B6判/ページ数 290,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000022590
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0010

出版社内容情報

明治文化の陰の系譜を掘り起こす,病んだ精神の考古学.知識人の「神経病・神経衰弱」と民衆の「憑きもの」-小説から売薬の広告まで,勝小吉から漱石まで,1次資料を博捜し,明治の精神を捕らえた負の構図を明るみに出す.

内容説明

知識人の神経病・神経衰弱・脳病、民衆の神がかり・憑依妄想―明治精神の陰の系譜を掘り起こし、日本近代を捕らえた負の構図を明るみに出す。

目次

序章 文化の記号としての神経病・脳病の物語
第1章 明治エリートと神経病
第2章 民衆と神経病
第3章 神経衰弱に明治の精神を読む
第4章 漱石・神経衰弱・文明批評
終章 狼憑きに日本人の精神の今昔を読む

著者等紹介

度会好一[ワタライヨシイチ]
1938年生まれ。専攻、イギリス近代文学。東京外国語大学英米科卒業後、東京大学大学院修士課程修了。現在、法政大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

4
およそ紙幣に顔を印刷されようなんて思う人ならば、脳病やら神経衰弱やらに一度は犯されんとダメらしい。もし文化が文明と違うならば、それは文化の方は健常者だけでは作り上げられないからだという気にさせられる。偉人だけじゃなく明治日本は心を病んだ人が多い「神経衰弱大国」。陛下を筆頭に下々までみんな病んでおる。だけど、その理由として自我の未発達が挙げられているが、ここにも例の日本人論が忍びこんでおる。確かに今の精神医学が科学的普遍性を備えているとは思えないが、自我が不足なのは「日本人」としての自覚が足らんからか。2019/04/25

ともゑ

4
今まで読んだ明治時代についての評論または明治を舞台にした小説で精神を病んだ人や怪しげな宗教が頻繁に登場するのが気になり、時代背景を知る為に読んだ。著者の主張が強いのがちょっと鼻につくものの、膨大なテキストから当時の空気が浮かび上がってくる。明治以前から続いている日本の価値観と急激に流れ込んだ西洋の価値観のぶつかり合う混沌とした時代が人々を混乱させたのは当然の事だった。矛盾に敏感な人、時代の変化に翻弄された人、エリート層から庶民までそれぞれ苦しい時代だった。これが明治の病み。2018/01/17

与吉

0
神経病、神経衰弱といったものが当時医学的、あるいは大衆的にどう捉えられていたのかということに対する精緻な分析――というよりはむしろ、当時の事例を一つ一つ挙げてそれに解釈を加えていくという性格が強い。それでも興味深い一次資料に幾つか当たることができたので、収穫はあったと考えたい。時折現れる筆者の露骨で奔放な価値判断がやかましく感じられ、良いから資料の提示と分析だけやってくれと内心幾度か叫んだが、これを無駄と取るかユーモラスと取るか。同種の問題を扱っているらしい「精神病の日本近代」にも近く当たってみたい。2012/07/21

キムチ27

0
大学の講義を聴いているような・・でも面白い。ところどころ、斜めに読んだり、音読したり、繰り返し文字をなぞったり。改めて、「無血革命」といわれる明治が実は日本人の精神構造に熱い焼き鏝を押しあてたごときものであったことを感じた。「夜明け前」の青山半蔵、「吾輩は猫・・」の登場人物、ほかにも正岡や国木田独歩、北村透谷などなど日本の文学の金字塔ともいえる人々が自らの脳漿をしぼりだしての途を歩いてきた・・一端を垣間見ることができた。参考文献だけでも一生が作れそうな量!筆者のエネルギーがほとばしる労作といえる。2012/07/11

396ay

0
参考にした~~コピーもした2022/01/24

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