哲学の課題

哲学の課題

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  • サイズ B6判/ページ数 210,/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784000014540
  • NDC分類 104
  • Cコード C0010

内容説明

今日、哲学の伝統的なあり方に対して〈反哲学〉〈脱構築〉が声高に叫ばれている。その批判の本質が何であるかを見極める一方、他方で哲学の誕生の時点で「実践」対「観照」という図式がいかに定式化されたか、その後の科学と技術の驚異的な展開に関わらせて明快に論ずる。それらの作業を通して、哲学の本来の課題と有効性を徹底的に追求する本書は、まさに真の意味での哲学復興の書であると言えよう。

目次

1 哲学の基本的課題と現実的課題(「哲学」(philosophia)について
現代の状況
プラトンによる〈非哲学〉の同定
「巨人族」の大勢支配
現代の状況の再確認と哲学の基本的・現実的課題)
2 実践と観想―その主題化の歴史と、問題の基本的筋目(はじめに;「祭礼の比喩」予診;プラトンにおける「実践」と「観想」;イソクラテスの実践哲学と若きアリステレスの主張;「著作集」(Corpus)におけるアリストテレスの問題定型化
「科学技術」(観想+製作)の成立とその動態
「実践と観想」―問題の基底構造)
3 現代哲学についての考察と反省(二つの間のつき合わせということ;観測の基準座標の設定―二分極構造の概念枠について;「言語的転換」について;さらなる確認―倫理学と科学論において;「ギリシア以来の哲学の伝統」の単純総括の風潮;おわりに)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

水野洸也

1
藤沢さんは哲学と科学との関わりを非常に大事にしている。それは哲学が、そもそも自然観察から始まり、倫理というよりも宇宙論を主としていたからに思える。ソクラテスの時代、哲学という分野はアテナイにおいてなお活発になり、さまざまな分化を経る。その中でノモス/ピュシスなどの二項対立が生まれはするけれども、両者は対立しているからこそ一致しているのであり、切り離せない関係にある。この関係をとり戻そうとしているのが現代の哲学の一端であり、またその源流は、実践/観想の一致を唱えたプラトンにまで遡れると、こういうことらしい。2016/11/07

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