ゴッゴローリ伝説

ゴッゴローリ伝説

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  • サイズ A5判/ページ数 236p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784000007979
  • NDC分類 942
  • Cコード C0098

出版社内容情報

ドイツの南バイエルン地方の森の中を走り回る大地の精ゴッゴローリ.このおどけた土俗的な存在にエンデは永遠の不死という宿命を負わせる.古いドイツの民譚をエンデは現代の救済のドラマに転換した.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

井月 奎(いづき けい)

36
ファンタジーやメルヘンは「夢の中の世界」なのでしょうか、私はそう思えないのです。今生きている世界の薄い覆いをとった世界、その様相を表すのが優れたファンタジーの世界観であり、神話の再構築、伝説の解体、民話の解釈などを読み手に伝わるように書くのです。魔法のような職人芸と言っていいと思うのですが、その中でも名人の域に達したエンデの戯曲は不条理と残酷さを書き表しています。その世界でどう生きていくのかを問うてきているのでしょう。美と醜、若さと老い、聖水と酒の対比も不条理に飲み込まれます。思考熟慮を要する物語です。2017/03/18

iwri

3
3回目くらい。バイエルン地方の伝説を基に書いた、とエンデ自身が言っているとおり、精霊との契約など民話やメールヒェンによく見られるお話の筋に、エンデらしい装飾が施されている。超自然の力、悪魔的な力、キリスト教会的倫理などを代表する人物たちの縺れ合いは戯曲らしい構成。本作にはエンデの世界観が存分に現れているが、それよりもツァイポットの決断と愛による悲劇的展開こそエンデらしいと思う。また、悪魔的な力に打ち勝つ最後のカードがパガートである点も、非常にエンデらしい。2011/10/20

べる

1
バイエルンの伝説を踏まえ、三十年戦争期を舞台とする作品である。典型的なメルヒェンでありながら、霊的な自然観、キリスト教への眼差しが記されている。ツァイポットの決断は独自の信念に基づいたもので、批判を持つ方もいるだろう。しかしエンデの他の著作にも示されているように、自らのモラルに従うことが重要なのである。宗教や伝説といったものに対し、どのような姿勢をとるか。自らの心に偽りを作らぬようにする。そういった現代の生き方を示している作品でもあるのだ。2013/03/23

Dorlis

0
小学校の頃に読んだ本

みやか

0
『ミヒャエル・エンデ ファンタジー神話と現代』(1986年、人智学出版社、樋口純明)。絶版書のためAmazonに書籍情報はないが読書記録を残したかったため同頁数の『ゴッゴローリ伝説』にて代用。23時26分読了。エンデ氏が存命のころに書かれたエンデ論を初めて読んだ気がする。追憶として書かれている文章とは異なる雰囲気が新鮮だった。氏が既に彼岸の方であることを今までは惜しむばかりであったが、本書を読んで別の感じを持った。シュタイナーの人智学に対するエンデのとらえ方が興味深く、また、少し戸惑いも感じた。2010/06/02

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