出版社内容情報
テクストにのめりこむほどに陥りがちな解釈の迷路.エーコが数々の古典や『薔薇の名前』『フーコーの振り子』の誤読を例にローティ,カラーらと渡り合った1990年の連続講義録.ユーモアたっぷりの読みのススメと深読みの戒め.
著者等紹介
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感想・レビュー
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4
テクストとは(掘りあてられるべき内容を直接生み出すのではなく)「モデル読者」を創設するものであり、その読者の整合的な試みのうちに適切な解釈があるはずだというエーコに対し、ローティは解釈されるべき本質がそもそもあると考えるのがおかしいという立場を取り個々の利用があるだけだと、議論をある意味うっちゃっている、カラーは整合性のない「過剰解釈」はむしろ「過小解釈」ではないかと指摘し、テクストの解釈が無限に多様でないことは受け入れつつも、テクストが促すのでない読みこそむしろ生産的であり(エーコ批判)、2021/02/02
つまみ食い
1
エーコ、ローティ、カラー…いささか安っぽい表現を使えば超豪華陣による議論。個人的にはカラーの論が一番説得力があるように思われた2020/08/10
aabbkon
1
エーコは最後に共同体がある解釈を保証すると言っている。しかしそこから逸脱する解釈こそをあなたは楽しんでいるでしょう、とカラーに言われているから、反論になってない。2013/09/30
nasio
1
さんざん『読み』『意味』について語ってきたエーコが、自著「薔薇の名前」「振り子」の『読み』『意味』について、ネオプラグマティストやNC達に容赦なくフルボッコされる!……かと思いきや、返す刀で徹底的に応戦!……みたいな。いやいや「真の意味」が(もしあるとしても)それこそ「物自体」「間主体性」のように届かざるモノである以上、これ自体意味が無いのかもしれないが、ただ「無い」というのと、思考実験の果てに「無い」というのとではワケが違う。ということで、面白かったです。2009/01/11