出版社内容情報
私たちの身のまわりには、「化学」があふれています。たとえば、汚れを落とす洗剤、お菓子などに含まれる甘味料、お酒や漬物、抗生物質や覚醒剤、遺伝子組換えやゲノム編集、CO2排出問題から放射能汚染問題まで……。
挙げていけばきりがないほど、私たちは化学の恩恵を受けた生活を送っているのです。
本書は前知識なしの読者でも読めるわかりやすい解説で、化学の不思議を解き明かす旅へとご案内します。
内容説明
僕たちの生活は全部化学でできている。ケミストリーの不思議を解き明かそう。
目次
第1章 「生活」の化学
第2章 「食卓」の化学
第3章 「薬と毒」の化学
第4章 「空気」の化学
第5章 「水」の化学
第6章 「生命」の化学
第7章 「爆発」の化学
第8章 「金属」の化学
第9章 「原子と放射能」の化学
第10章 「エネルギー」の化学
著者等紹介
齋藤勝裕[サイトウカツヒロ]
1945年生まれ。1974年、東北大学大学院理学研究科博士課程修了、現在は名古屋工業大学名誉教授。理学博士。専門分野は有機化学、物理化学、光化学、超分子化学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
75
身近の物質が変化するのは化学反応の結果なのですね。生活:紙おむつの高吸収性樹脂は一種のプラスチックである。食卓:お肉は60度までは柔らかいがそれを超えるとかたくなり75度以上で再び柔らかくなる。薬と毒:ベートーベンはワインに白粉・炭酸鉛を振って飲み鉛の神経毒で聾になる。空気:空中窒素の固定に雷が役立つ。雷の多い年は米が豊作になる。生命:細胞膜はシャボン玉のようなもの。爆発:花火の色は金属の炎色反応。原子と放射能:原子炉は火力発電所のボイラーと同じ原理。エネルギー:水素燃料電池には白金などの触媒が不可欠など2020/12/02
mae.dat
73
これで化学が分かるかと言われると疑問が残るけど、化学をトリガーとした雑学本。読み物としては楽しいし、へーってなる。炎色反応にインジウムやタリウムが載っているのも初めて見たし。 著者は名古屋工業大学の名誉教授とのことなので、素性はしっかりとしていると思うけど、参考文献が全てご自身の著作ってのは頂けないなぁ(´๑•_•๑)。多岐にわたる内容なので、掘り下げる場合はそちらを当たってね。って事だと思うけど、それなら参考文献と分けて紹介して欲しい。2020/06/30
猫柳
5
化学者が生み出したものの多くは人類の発展に寄与した。しかし、人類の発展以外の使い方を別の人間が発案したことが、化学兵器の誕生の理由なのだろうか。そのように感じさせる恐ろしい内容の化学もあれば、クエン酸と重曹を使用した化学反応によるお掃除の原理の紹介もあり、バラエティーにとんでいる。事例が豊富で飽きない。興味関心を持ち科学リテラシーを高め、人類があるべき方向に進むことを願って、著者は本書を執筆したように思えてならない。2024/03/01
ふらこ
5
いろんなジャンルに化学って関わってるんだけど。どの分野が興味深いですか?って問われているような気分になった読後感。金メダルに使われている金の量とか硝石(火薬の材料)は大昔では人尿で作られていたとか。へえ~ってなりました。興味ある分野はねー、地下資源かな。シェールガスとかメタンハイドレート(これは海底資源)とか。自分の興味の向く方向探るのに、ちょうどいい本なんじゃないかと思いました( ˙꒳˙ )雑学としてもいいと思います。人に話したくなるよね(⁰▿⁰)2021/06/07
yui
5
化学はさっぱりな自分が読んでも楽しめた。日常生活で触れる物を中心とした、素朴な疑問の仕組みを解説してくれる。化学がわかる、は言い過ぎかもしれないけれど、普段から素朴な疑問を持って、それを放置せずに考えたり調べたりする楽しさを教えてくれた。2020/08/11