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『女ぎらい―ニッポンのミソジニー』 上野千鶴子著、税込1,575円
社会学者という職業を、ときどき因業だと思うことがある。自分にとって気持ちのよいもの、美しいもの、心温まるものではなく、むしろ不快なもの、むかつくもの、許しがたいものを対象に選び、なぜそうなるのか、その謎を理解しようとしてしまう執念に取り憑かれるからだ。
書き手にとってと同様、『女ぎらい――ニッポンのミソジニー』は多くの読者にとって、女にとっても男にとっても――とりわけ男にとって――不愉快な読書経験をもたらすだろう。なぜならそれは多くの男女が目をそむけていたいことがらのひとつだからだ。
不愉快な思いをして書きつぎ、不愉快な思いをして読まなければならない本を書いたのはなぜか? どんなに不快であれ、そこから目をそむけてはならない現実がそこにはあるからだ。そして、わたしたちがそれを知ることによって、それがどんなに困難でも、その現実を変えられる可能性があることを知っているからだ。共感も反感も含めて、本書には波紋を拡げてほしい。そのために本書は書かれたのだから。
(上野千鶴子)
■プロフィール
上野千鶴子(うえの ちづこ)
1948年富山県生まれ。東京大学大学院教授。女性学、ジェンダー研究のパイオニア。1980年代以降、常に時代の先端を疾走し、 現代社会のさまざまな問題を問い続けてきたフェミニスト。1994年『近代家族の成立と終焉』でサントリー学芸賞を受賞。 『家父長制と資本制』(岩波書店)、『女遊び』(学陽書房)、『スカ−トの下の劇場』(河出書房新社)、『戦後日本スタディーズ』 全3巻(共編著、紀伊國屋書店)など著書多数。近年は高齢者の介護問題に専門領域を広げ、『おひとりさまの老後』(法研)が 75万部のベストセラーに。
■ブックリストカテゴリ
リスト1 「女好きの男」のミソジニー
リスト2 ホモソーシャル・ホモフォビア・ミソジニー
リスト3 セクシュアリティとミソジニー
リスト4 「非モテ」のミソジニー
リスト5 児童性虐待者のミソジニー
リスト6 春画のミソジニー
リスト7 母と娘のミソジニー
リスト8 「父の娘」のミソジニー
リスト9 女子高文化とミソジニー
リスト10 東電OLのミソジニー
リスト11 女のミソジニー/ミソジニーの女
リスト12 フェミニズム・ジェンダー
リスト13 その他
※「今こそ!人文書宣言第15弾」は(その1)として「白水社×在庫僅少本フェア」(2010年9月23日〜11月末日)を開催中です。


